ショックとは、1つの病名を指すのではなく、各臓器が必要としている酸素や栄養が十分に供給されていない状態をいいます。放置すると、多臓器不全から死に至ります。

ショックを引き起こす原因には大きく「心原性ショック」「循環血液量減少性ショック」「出血分布異常性ショック」「閉塞性ショック」があります。

心原性ショックは、先天性心疾患、後天性心疾患、不整脈などにより、心機能に問題があって起こる循環障害です。

循環血液量減少性ショックは、出血や脱水により血液が不足して起こる循環障害です。

血液分布異常性ショックは、出血量は正常だけれども、血管が異常に拡張して起こる循環障害です。

閉塞性ショックは、血液の通り道に障害物があり、血行がスムーズにいかなくなることから起こる循環障害です。

血液検査、各種細菌培養、各種ウイルス検査、胸部X線撮影、心電図、心臓超音波検査などで診断します。

治療は原因により異なります。

心原性ショックは、病態に応じて、強心薬、血管拡張薬などが用いられます。

循環血液量減少ショックは、輸液や輸血が行われます。

血液分布異常性ショックには、輸液や血管収縮薬などが用いられます。

閉塞性ショックの場合、胸腔に空気が漏れ出している緊張性気胸や、心臓を取り囲む心嚢に心嚢液や血液が大量に貯留している心タンポナーデが認められるときは、穿刺をして内容物を除去します。肺塞栓には、血栓溶解薬を用いたり、カテーテルで血栓を吸引するなどが行われます。動脈管閉鎖には、動脈管を開存させる作用のある薬を使用します。