下部胆管がんは、胆管がんの約40%を占めます。

発病の要因としては、先天性胆道拡張症や原発性硬化性胆管炎などが挙げられます。最近では、印刷業界に多発したことから、ある種の有機溶媒への曝露が関係しているのではないかといわれています。

症状は、黄疸から発症することが多く、術前に胆道ドレナージを行い、黄疸を改善してから手術を行います。

検査では、腹部CT検査、MRI検査を行います。診断確定のためには内視鏡的逆行性胆管造影(ERCP)を行い、直接胆道造影を行い、その後胆汁を採取して胆汁細胞診・擦過細胞診(さっかさいぼうしん:綿棒などで細胞をこすり取って検査すること)や胆管生検を行います。

遠隔転移がなければ原則的に手術治療を選択します。膵頭十二指腸切除(膵臓の右側と十二指腸を一括して切除する)が行われます。

手術ができない場合は、胆管狭窄部にステントチューブや金属ステントを留置し、胆汁が流れるようにした後に、抗がん剤を用いた化学療法や放射線化学治療を行います。

手術後は定期的に受診し、採血検査や画像検査を行います。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 抗がん剤治療を行っているときはさまざまな副作用が出る可能性があります。どのようなことでも我慢しないで主治医に相談しましょう。