心筋炎は、主にウイルス感染によって心臓の筋肉(心筋)に炎症が起きる病気です。心臓の機能が低下したり、不整脈が起きたりして、心不全や呼吸不全、腎不全を招きます。

小児の心筋炎の50%が急性、40%は急激に病態が悪化し、突然死の原因ともされる劇症型です。

小児の心筋炎による死亡率は25%ですが、60%は後遺症なく退院します。

発熱、食欲不振、嘔吐などの風邪に似た症状が出てから数日~数時間で動悸や息苦しさなどの心不全症状、共通、不整脈などが現れます。劇症型では、突然ショック状態や重症不整脈を来します。

心不全の症状としては、不機嫌、冷や汗、手足が冷たい、呼吸が速い、肩で息をしている、座っているほうが息をしやすい、手足や唇が青紫色になる、吐き気が止まらないなどがあります。このような症状が現れたら、すぐに受診してください。

軽症に見えても、急激に悪化することがあるため、集中治療ができる医療施設への入院が必要です。

血液検査、胸部X線撮影、心電図、心エコー検査などを行います。場合によっては、麻酔をかけて行う検査が必要となることがあります。

治療は薬物療法のほか、必要に応じて、心臓呼吸器や心臓の働きを助ける補助循環装置を使用します。

退院後も慢性心不全となったり、突然死したりする危険があるため、慎重な経過観察が必要です。また、薬の服用が必要となることもあります。運動など日常生活については、主治医とよく相談しましょう。