急性腎炎症候群は、腎障害によってコーヒーのような色をした血尿やタンパク尿などの尿の異常、高血圧、浮腫(むくみ)などが急に現れる病気の総称です。

腎臓内の血液をろ過して尿の元をつくる糸球体と呼ばれる場所に炎症が生じることが原因です。

多くは溶連菌(溶血性レンサ球菌)に感染して1~2週間ほどたって発症しますが、その他の原因で発症する場合もあります。

血液を採取して、糸球体の機能が低下していないかなどを調べます。尿の検査で尿蛋白や血尿の有無をチェックします。

重症だったり、症状が続く場合には腎組織の一部を採取して顕微鏡で調べる腎組織診断が必要となることがあります。

治療は基本的に入院のうえ行われます。

抗生物質により溶連菌を除菌するとともに、水分の摂取・排泄をコントロールしたり、塩分を制限したりします。尿量が少ない場合には利尿剤、高血圧が著しい場合には降圧剤が用いられます。

こうした治療を行えば、目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)や高血圧は数週間以内に改善し、尿蛋白も1~2カ月で治まります。検査でのみわかる血尿(顕微鏡的血尿)は数カ月続きますが、ほとんどは自然に治ります。