原発性線毛機能不全症候群(Kartagener症候群)とは、気道上皮の線毛、精子の鞭毛など、全身にある線毛機能が侵される病気です。

先天性の疾患です。幼児のころから中耳炎や気管支炎を繰り返します。

線毛の機能障害は、慢性の上下気道感染症、繰り返す気管支炎、慢性中耳炎、男性・女性不妊症などの原因になっていることがあります。

検査は、血液検査、呼吸器検査、胸部X線検査、びまん性肺疾患などをみるHRCT像、頭部副鼻腔X-p・CT、鼻粘膜にサッカリンを付着して調べるサッカリンテストなどを行います。耳鼻科的あるいは気管支鏡などにより線毛を採取して電子顕微鏡により形態を検査し、診断確定します。

治療法としては、マクロライドと呼ばれる抗生物質を長期少量服用するマクロライド療法がありますが、必ずしも有効でないこともあります。

急性増悪時期には、抗生物質を投与します。

もっとも大事なことは予防です。風邪などのウイルス感染に注意し、体力の低下を防ぎ、生活面で無理をしないようにしましょう。