放射線治療は悪性腫瘍の治療には有効な方法ですが、一方で放射線を当てた部位や臓器に副作用や後遺症を起こすことがあります。放射線照射によって肺に炎症が起こった病気を放射線肺炎といいます。
放射線治療の後半から、治療終了後半年ほどの間に発症しやすいといわれます。
主な症状としては、咳や呼吸困難感、発熱などがあげられます。炎症がひどい場合には、生命にかかわることもあります。放射線治療中、また治療が終わってからも発熱や咳、息切れなどの症状が現れたらすみやかに主治医に相談してください。
症状や身体所見、血液検査、画像検査のほか、必要に応じて喀痰検査や超音波検査、内視鏡検査などが行われます。
治療としては、ステロイドホルモンで肺の炎症を防ぎます。急性の放射線肺炎では、この治療で約8割がよくなります。ただし、ステロイドホルモンには副作用があるので、その使用については病状によって判断されます。
症状によっては、咳止めの薬や酸素吸入などが行われることがあります。
症状が軽い場合は、自然に軽快することが期待できるため、経過観察のみとなることがあります。
咳や呼吸困難などの症状が悪化する場合は、次の受診予定日を待たずに、すみやかに再受診してください。
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