急性肺塞栓症は、下肢の静脈に血栓(血の塊)ができ、それが流れて肺の血管を塞ぐことにより、呼吸困難やショック状態に陥る疾患です。

重症の場合は、命に関わることもあります。特に発症から24時間以内がもっとも死亡率が高く、発症早期の治療が大事です。

胸部造影CTや肺血流スキャンなどの検査により診断し、さらに重症度を調べ、その程度に応じて治療法を選択します。

発症したばかりのころは症状が不安定で危険な時期です。入院して治療を行い、不測の事態に備えます。

治療法は、入院して血栓を溶かしやすくする薬を投与します。

適切な治療のため、また再発を防ぐために、治療経過の中で適宜検査をしながら、疾患の原因を調べます。

退院後も、再発防止のため、しばらくは血栓ができにくくなる薬を服用します。

呼吸困難や片足のむくみは再発の兆候なので、直ちに受診しましょう。

手術をしたり、心臓や肺の病気、悪性腫瘍などに罹患したりした場合は再発しやすいので、担当医には本疾患にかかったことがあることを伝えておきましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 足を動かさないでいるとより血栓ができやすくなります。ウォーキングなどの下肢を使用する軽い運動をしましょう。