慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、肺にできた血栓(血の塊)が溶けずに血管が閉塞したり、閉塞しない部分の血管も固くなったりして、肺動脈内の血圧が異常に高くなる肺高血圧症状を示す病気です。
症状としては、運動時の息切れ、胸痛、足のむくみや腫れなどがみられます。
診断は、心エコー、肺血流スキャン、胸部造影CTの検査によりこの病気が疑われた場合に、血管内にカテーテルを挿入する右心カテーテル検査と肺動脈造影検査を行って確定します。
血栓の進行や再発予防のために、半永久的にワーファリンによる抗凝固治療が行われます。
ワーファリンの副作用で皮下出血や鼻血、その他の出血症状がみられる場合は医師に相談しましょう。
低酸素血症が認められる場合には在宅酸素療法が必要になり、心不全を合併している場合は利尿剤が用いられます。
太い肺動脈に血栓がある場合は手術によって症状を改善することができます。また、手術適応のない場合でも、肺血管拡張薬やカテーテルによる治療も症状を改善できることがあります。
3カ月〜1年ごとに心エコー検査による肺高血圧症の評価(チェック)が必要です。