肺には、肺動脈と肺静脈という2本の太い血管が通っています。二酸化炭素を含んだ血液が流れる肺動脈は、肺の中で次第に細くなり毛細血管になり、肺胞と呼ばれる場所で二酸化炭素を捨て、酸素を受け取ります。そのあと毛細血管が集まり太い肺静脈になって心臓に戻ります。

肺動静脈瘻は、肺動脈が毛細血管になる前には肺静脈と結合している状態をいいます。

人口10万人中38人程度の割合で発症する比較的まれな病気です。

酸素の少ない血液が全身に流れるため、全身倦怠感や、皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼが生じたり、呼吸困難に陥ったりします。足などつくられた血の塊(血栓)肺静脈で止まらずにそのまま肺動脈に入り、心臓から脳に流れて脳梗塞を起こすこともあります。また、無症状のことも多くあります。

胸部CT検査や肺動脈造影検査などを行います。

現在、ほとんどの肺動静脈瘻は、カーテル治療により、根本的な治療が可能になっています。

カテーテル治療は、合併症の危険があるため、入院のうえ行われます。