原発性の気管(支)がんは、まれな病気です。がんにはさまざまな種類がありますが、気管(支)がんでよくみられるのは、扁平上皮がん、腺様のう胞がん、カルチノイド、粘表皮がんなどです。

扁平上皮がんは喫煙との関係が深いのですが、腺様のう胞がんなどは喫煙との関係は認められません。

症状は、咳、血痰、喀血、ゼーゼーヒューヒューいう喘鳴、呼吸困難などの呼吸器症状が主です。がんが、気管・気管支内の内腔を70%以上占拠すると、気道狭窄状態が現れます。

検査は、胸部X線、CT検査を行い、がんが疑われれば、3次元CTで気道狭窄の程度、病変の長さや大きさを検査します。胸部MRIで、気管とその周辺の軟部組織、食道などの臓器への進展はないかもみます。最終的に、気管支鏡検査で組織や細胞学的検査をして診断します。

早期のがんは、光線力学的治療(PDT)を行います。これは、光が当たると化学反応を起こす腫瘍親和性光感受性物質を注射し、低出力レーザー照射によってがん細胞内部を破壊する方法です。

気管支軟骨を超える浸潤がん(扁平上皮がん)は、気管管状切除術を行います。

気管内腔を大きく占拠するようながんは、レーザー焼灼をしてから化学療法を行います。放射線療法を行うこともあります。

治療後は、定期的に内視鏡検査などを行い、再発の有無を検査します。

検査の結果が出たら、可能な限り家族と一緒に説明を聞きましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 呼吸が苦しくなったり、血痰が出たときは、すぐに主治医に連絡を取りましょう。