鼻から気管支までを気道といいます。このうち、鼻から喉までを上気道、気管から気管支までを下気道と呼ばれます。慢性下気道感染症は、下気道にインフルエンザ菌や緑膿菌などの細菌がいて、慢性的に痰がからむ咳をする病気です。慢性的に存在する痰を体外に出そうとして生理的に咳をするのです。
原因としては、健康な場合には細菌が存在しない下気道に、何らかの異常があると考えられます。そのため、感染に対する防御能が低下し、細菌が下気道に定着して治りにくい状態にあるのです。さらに、新たな気道感染によって悪化していくと考えられます。
痰を採取して原因菌を鑑別し、胸部X線やCT検査、呼吸機能検査で重症度を調べます。一般血液検査に加えて、動脈血から、低酸素状態に陥っていないかを確認する場合もあります。また、副鼻腔の検査や耳鼻咽喉科の検査をすることもあります。
治療は原因菌によって多少異なりますが、通常1〜3種類の内服薬を長期間使用します。副作用がない限り、継続して服用しましょう。薬が合わないときは担当医に申し出て、自己判断で薬を減量したり中止したりしないようにしましょう。
膠原病や慢性副鼻腔炎を合併している場合は、それらの管理も同時に行います。
発熱、呼吸困難、痰量の増加がみられたら肺炎を併発している可能性があります。早めに受診しましょう。
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