縦隔は左右の肺に挟まれた部分をいいます。縦隔気腫は、気管や気管支が損傷することによって縦隔に空気がたまった状態をいいます。

これには、明らかな原因がない特発性縦隔気腫と、外傷をはじめ食道の損傷など病的な状態が原因で生じる続発性縦隔気腫があります。

特発性縦隔気腫は若い痩せ型の男性に多く、胸痛や呼吸困難感から発症します。一般に予後は良好ですが、急速に増悪する場合もあります。

続発性縦隔気腫は特発性に比べると予後が不良で、基礎疾患の病状に左右されることが少なくありません。

食道の損傷が疑われる場合には、食道造影検査などが行われます。

縦隔の細菌がたまる縦隔洞炎を発症するリスクが高い場合には、抗菌薬の投与が行われます。

外傷や食道損傷などが原因で起きた縦隔気腫は原因となる症状の外科的処置が必要になります。

縦隔洞炎を起こしたときは、体内にたまった膿などを抜くドレナージや外科的処置を行います。

発症してから数日間は入院して安静を保ちましょう。順調に回復すれば、通院による経過観察が可能です。再発は少ないので、長期の通院は不要です。

胸痛、呼吸困難感、発熱などがみられたらすぐに受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 退院後しばらくは、激しい運動は胸腔内圧が上がるので控えましょう。