縦隔洞炎は、両肺に挟まれた部分にある縦隔部分に細菌が感染して膿がたまる病気です。急性と慢性があります。

急性縦隔洞炎は、手術をした傷口やのどの感染、あるいは食道に穴が開くことなどが原因で発症します。悪寒・戦慄・発熱から始まり、急速に進行して敗血症を起こすこともあるので早急に治療する必要があります。

慢性縦隔洞炎は、結核菌やヒストプラズマというカビなどが原因で起きる縦隔の慢性的な炎症です。原因ははっきりしないことが多いのですが、予後は比較的良好です。

急性縦隔洞炎の治療は、抗菌薬の点滴に加え、細菌を洗い流すために縦隔にドレーンを入れて外科的に洗浄する方法をとることもあります。

慢性縦隔洞炎の治療は、原因微生物を血液検査により特定し、その微生物に対する治療を行います。原因が特定できないときはCTなどで経過を観察します。

縦隔の炎症によって血管など周辺の臓器に狭窄が起こるようなときは手術を行うことがあります。

慢性縦隔洞炎で薬を内服するときは副作用の確認のために当初は1~2週間ごとの通院が必要です。途中、自己判断で薬を減らしたり中断したりしないようにしましょう。薬の内服により調子が悪いときは医師に連絡しましょう。安定してくれば1~2カ月ごとの通院になります。

咳や胸痛、呼吸困難、血痰などの症状があるときはすぐに受診しましょう。