上大静脈とは、頭部や腕から血液が心臓に戻ってくるとき、心臓の手前にある血管です。

上大静脈症候群は、上大静脈が何らかの原因で閉塞したり圧迫されたりして通過障害が起き、発症します。

症状としては、顔面や上肢にむくみが見られます。

原因としてあげられるのは、肺がんなどの胸部の悪性腫瘍です。上大静脈症候群の症状が見られるときはすぐに受診して、原因をはっきりさせておきましょう。

原因疾患を探るためには入院して、胸部画像検査や造影剤を用いた胸部CT検査を行い、さらに気管支鏡検査や、CT画像を利用し悪性腫瘍の病巣に針を刺し組織を採取して(CTガイド下腫瘍組織生検)診断をつけます。

治療は、薬物療法や放射線療法のほか、上大静脈内にステント挿入して静脈を広げる方法がとられることもあります。

同時に、原因となった病気の治療を行います。