じん肺は、粉じんの発生する環境下で、長い年月にわたって粉じんを吸入することによって生じる病気です。粉じんの中のアスベストの吸引が原因のアスベスト肺は代表的なじん肺です。

じん肺は粉じんの吸入後15~20年で発症し、アスベスト肺では、中皮腫や肺がんを発症するリスクが高まります。

自覚症状としては息切れ、咳、痰、食欲低下などがあります。

検査では、特発性間質性肺炎、肺がん、肺結核、過敏性肺炎、サルコイドーシスなどと鑑別するために、喀痰検査、胸部X線検査、CT、スパイロメーターという機器を用いた肺機能検査などを行い、診断をつけます。

じん肺の治療は自覚症状を軽減することを目的に行われます。鎮咳剤、気管支拡張薬、去痰剤などを投与します。また、肺がん、肺結核、胸膜炎、中皮腫などの合併症があればその治療を行います。

息切れが進んだときは酸素療法を開始します。感染予防のためにインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種しましょう。

日常生活では、作業中は防じんマスクを着用し、作業場所を湿潤にします。

タバコは呼吸器機能を悪化させ、感染症疾患に罹患しやすくなるので禁煙を心がけましょう。

発熱、血痰、胸痛、息切れがひどくなったときは受診しましょう。

粉じん作業に従事した人はじん肺健康診断を受け、じん肺の所見ありと判定され、認定されたときは労災補償を受けることができます。