呼吸不全は、肺や心臓の機能が低下するために、全身に酸素不足が生じて起きる状態です。

酸素不足の状態が慢性的に続くと、心肺機能が低下して、中枢神経系にも非可逆性(回復しない)の損傷を起こし、命にも影響が出てきます。

酸素不足のために、爪の色が悪くなったり(チアノーゼ症状)、少し動いても息苦しくなったりするようなら、心臓にはかなりの負担がかかっています。

原因として最も多いのは、肺炎や気管支炎などの感染症です。呼吸器の障害は、全身に影響を及ぼすので多臓器不全などの全身病ととらえることができます。

急性の呼吸不全、慢性の呼吸不全の増悪は急変することがあるので入院して治療します。

酸素吸入量は多すぎても、かえって肺の障害を起こすことがあるので、注意して酸素量を決めます。酸素吸入量や、吸入時間は医師の指示に従いましょう。

今までになく息苦しくなったり、発熱が続いたり、咳が止まらなかったりするような場合には急性増悪といって新たな治療が必要になります。すぐに受診しましょう。