性交痛の原因は痛みを感じる場所によってさまざまですが、性器の異常や病気などの器質的要因、女性ホルモンのエストロゲンの低下による内分泌的要因、男性との相性、性への抵抗感といった心理的要因の3つに大きく分けられます。

器質的要因としては、子宮内膜症などによる骨盤内の慢性的な炎症に伴って生じる挿入時の骨盤痛、分娩時に会陰切開した傷跡、子宮全摘術や性器脱の手術などが挙げられます。外陰部の炎症や腫瘍などは腟入口部の性交痛をもたらします。

内分泌的要因では、卵巣の機能低下や不全により卵巣からのエストロゲンの分泌が減少し、腟粘膜に萎縮が起きて性交痛を招きます。

心理的要因で腟内を潤す分泌液が減少したり、腟が収縮したりして痛みを生じます。

視診、触診、超音波により痛む場所や原因となっている病気を探します。必要に応じて腟分泌物検査やホルモン検査、クラミジア抗体検査を行います。

原因となっている病気がはっきりしたら、その治療を行います。

心理的要因の場合は、セックスカウンセラーによる治療が有効です。

原因となっている病気を治療して性交痛が軽快したのちも、再発を防ぐために、通常、定期的な通院が必要になります。