卵巣のう胞は、水様や半固形状の液体が卵巣内にたまり、卵巣が腫れる病気で、卵巣のう腫ともいいます。

のう胞がかなり大きくなるまで自覚症状はなく、超音波検査やCT・MRIなどの画像検査で偶然に発見されます。のう胞が大きくなると下腹部のふくらみから発見されることもあります。

卵巣のう胞には、自然に治るものから、早急に治療をすすめないと危険な悪性腫瘍(がん)までさまざまな種類があります。

まずは、きちんとした診断をつけることが重要です。

検査は1~3カ月ごとの定期的な超音波検査が中心です。

のう胞の状態や症状によって検査後の対処の仕方は異なります。

緊急性がなく、自然に治ると推定されるならば、経過観察になります。

のう胞が徐々に大きくなる場合や痛みなどの症状を伴う場合には手術が必要になります。手術には腹腔鏡による場合と開腹による場合があります。

がんが疑われる場合は、画像診断や採血などによる精密検査を行います。手術が必要になる可能性がありますので大きな病院の受診が必要です。

ときに卵巣のう胞がおなかの中でねじれる卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)や破裂を起こすことがあります。この場合、強い痛みが生じます。ショック症状をきたすこともあるので、すぐに受診しましょう。