つわりは、妊娠5~6週前後から見られる、悪心(おしん:胸部の不快感、気分の悪さ)、嘔吐、嗜好の変化や唾液の増加などの症状をいいます。症状の多くは一過性です。

つわりは全妊婦さんの約80%にみられますが、一般に、妊娠7~12週をピークにして、約50%は妊娠14週までに、約90%は妊娠22週までに軽快します。

妊娠悪阻は、つわりが重くて体重が5%以上減少する場合に診断されます。

妊娠悪阻と診断されたときは、尿検査でケトン体の有無から栄養状態を調べ、血液検査で脱水の程度や電解質のバランス、肝機能や腎機能障害を調べます。

妊娠10週以降に吐き気や嘔吐が出現した場合やつわり症状が長引く場合は他の病気が隠れていることもあり、消化管内視鏡検査や頭部CT検査などで消化器疾患や脳外科疾患などとの鑑別を行うことがあります。

つわりが軽い場合は、特に治療の必要はありません。

ほぼ毎日嘔吐し、体重減少が続き、妊娠悪阻と診断された場合は、深部静脈血栓症など重篤な合併症を引き起こすこともあるので、早い段階で治療を開始します。入院が必要になることもあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 心身の安静と休養を心がけましょう。
  • 好きなものを好きな時に好きなだけ食べるようにしましょう。
  • 水分の補給に努めましょう。
  • 体重が減少し続ける場合は産婦人科を受診しましょう。