多胎妊娠とは、2人以上の胎児を妊娠している状態をいいます。胎児が2人いる双胎妊娠でも、母体への負担は大きく、合併症が起こりやすく、早産や未熟児出生のリスクが10倍に高まるという報告があります。また、お母さんが妊娠高血圧症候群になるリスクは、単胎の2~3倍高くなります。

妊娠10週ごろに胎盤が1つか2つかなどの膜性診断を行い、多胎のリスクを評価します。

妊娠13週ころからは2週間ごとの妊娠検診を行います。

妊娠中期以降は、子宮収縮、出血、頸管長短縮など、切迫流早産の症状に注意が必要です。十分に管理しても双胎でも40~50%は早産になります。32~34週以降の妊娠継続をめざします。

37~38週以降は、母児のリスクが増加するため、39~40週頃までに分娩が終了するように分娩誘発が計画されることもあります。

妊娠後半は妊娠高血圧症候群の危険性が増え、胎児発育不全が起こりやすくなります。全身のむくみや尿量減少などの場合は、早めに受診してください。

胎盤を2人の胎児が共有する1絨毛膜2羊膜双胎の場合は、血流移動のアンバランスが生じる双胎間輸血症候群などの病気が起こりやすくなります。急激な腹囲の増大や1.5kg/週以上の体重増加がみられた場合は、早めに受診しましょう。

双胎間輸血症候群が疑われるときは高次医療施設と連携して管理します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • ゆったりとした日常生活を心がけましょう。
  • 安静にしても子宮収縮が治まらなかったり繰り返す場合や、痛みや出血を伴う子宮収縮の場合は、早めに受診しましょう。