遷延分娩とは、10分間隔の陣痛開始から、出産までの時間が長引くことで、初産の場合は30時間、経産婦の場合は15時間を経過しても、お産にならない場合をいいます。

原因としては、陣痛が弱い、産道に異常がある、胎児が大きすぎる、児頭の回旋の異常などが考えられます。

分娩が長引くと、吸引分娩、鉗子分娩や、帝王切開が多くなります。

赤ちゃんも、生まれて呼吸がうまくいかない、泣かないなどの新生児仮死になる頻度が高まります。母体内で酸素が足りずに脳性まひなどの後遺症を残すこともあります。

遷延分娩が懸念されるときは、連続的胎児心拍モニターを設置し、異常な胎児心拍パターンの出現をチェックします。

分娩が長引くようなら、症状に応じて、陣痛促進、吸引分娩・鉗子分娩、帝王切開などを行います。

遷延分娩を予防するためには、過剰な体重増加による肥満を避ける必要があります。体重が規定より増加するときは薄味を心がけ、ミネラル・タンパク質をしっかりとり、糖類や菓子類を減らすなどの食事指導を受けましょう。