周産期管理の進歩によって、妊婦さんの死亡率は減少しています。しかし、分娩時大出血は現在でも、妊産婦死亡の主要な原因になっています。300人に1人の割合でみられます。

原因は産道損傷、子宮破裂、癒着胎盤などさまざまです。原因を調べるために、緊急の内診と超音波検査が行われます。

分娩時大量出血は、帝王切開分娩、多胎分娩、前置・低置胎盤、胎盤癒着、巨大子宮筋腫合併、羊水過多、巨大児誘発分娩、既往帝王切開などのときに起こりやすくなります。

多胎分娩、前置・低置胎盤、胎盤癒着、巨大子宮筋腫合併などの場合は、緊急時にも対応できる高次医療機関での分娩が勧められます。

分娩時には、血圧や脈などのバイタルサインや計測出血量から出血量を調べます。

出血量が多い場合は、輸液を行いつつ、バイタルサインの持続観察と血液検査とともに輸血を行います。同時に出血の原因に対して止血の処理が必要となります。