羊水塞栓症とは、多量の羊水や胎児の成分が母体内の血液中に流れ込み、血管が詰まり、母体に突然の呼吸不全、循環不全、ショック、血管内凝固などを起こす状態をいいます。全身の臓器障害も発生します。死に至ることもありますが、発症頻度は非常に少ない病気です。

羊水塞栓症は、いつ起きるか予知できません。分娩中の意識消失、子宮や産道からの出血量の増大、血が止まりにくくなる状態が併発すると、羊水塞栓症の危険が高まります。

原因はわかっていません。

ショックの改善、呼吸や循環の管理、止まりにくい出血の治療を行い、輸血も必要になります。

止血のために子宮動脈塞栓術や子宮全摘を行うことがあります。

全力を尽くしても深刻な事態になることがあります。

原因究明のためにも、病理解剖が望まれます。