先天性外耳道閉鎖症は、耳の入口から鼓膜までの外耳道がふさがる先天的な病気です。進行する病気ではありませんが、自然に治癒の見込みはまったくありません。

診察は、聴力の検査と閉鎖の状態などを調べるためのCT検査を行います。乳幼児の場合は通常の聴力検査は困難なので、検査用の睡眠導入剤などを用いて特殊な聴力検査を行います。

問題は、先天性外耳道閉鎖症に、難聴と、耳の形成不全で耳が小さい小耳症といった合併症が見られることです。

難聴には片側の耳だけに起きる場合と両側の場合とがあります。片側だけの場合は日常生活に大きな支障を来すことはないので、早急な処置や治療は必要ありません。両側の場合は、中等度から高度な難聴があり、言語の発達に著しい障害を認める可能性があります。

難聴が片側だけの場合は定期的に耳鼻科を受診して聴力の検査を行います。聴こえるようになることを希望するときは小学校高学年ころに手術をします。

難聴が両側に起きている場合は、可能な限り早めに補聴器を装着します。専門の医療機関を定期的に受診し、補聴器の効果や言語発達評価、言語聴覚訓練などを行います。

外耳道の形成術や小耳症は5~10歳の間に検討し、手術します。