中耳は、鼓膜の奥にある洞窟のような部分です。この中耳が細菌やウイルスに感染して急性に炎症が起こるものを急性中耳炎といいます。

症状として、耳の痛み、発熱、耳からの分泌物などがあげられますが、外見的に明らかな変化がないにもかかわらず中耳炎を起こしていることも多くあります。

病態に関しては、発熱や不機嫌、耳の痛みなどの臨床所見と鼓膜所見とを観察して軽症、中等症、重症を診断します。

鼓膜切開して耳だれを採取したり、鼻の奥の細菌を採ったりして、原因になっている細菌を探す細菌検査を行うことがあります。なお、鼓膜切開で難聴になるようなことはありません。

治療は、鎮痛剤の投与や鼻の処置を行い、経過を観察します。その他、症状により、抗菌薬を投与したり、鼓膜切開を切開して膿を吸引したり、点滴治療を行ったりします。

20%以下の確率で、治療が長引いたり、再発を繰り返したりすることがあります。特に集団保育に参加している場合は中耳炎発症のリスクも高く、長引く傾向にあります。

治療が長引いたり、再発を繰り返したりするのは乳幼児の免疫の弱さが原因であることも多いようです。治療に対して反応がよくない(治療抵抗性)中耳炎では、鼓膜にチューブを留置する方法もあります。

症状が改善しても中耳炎は隠れていることがあります。医師の確認をとってから治療を終了しましょう。