鼓膜の奥にある洞窟のような部分を中耳といいます。この中耳に炎症が生じた病気が中耳炎です。

<滲出性中耳炎>

滲出性中耳炎は、中耳に液体がたまる病気で、幼小児に多く発症します。

急性中耳炎が治まっても貯留液がひかなくて起こる場合と、かぜや鼻炎などの上気道感染に伴って貯留液が生じる場合があります。

難聴が起きたり、耳がつまった感じがします。

<好酸球性中耳炎>

中耳の粘膜に白血球の一種である好酸球が集まり、非常に粘っこい貯留液がたまる中耳炎です。

耳が詰まった感じや難聴のほか、鼓膜に孔が開いたり、中耳から肉芽(組織の一部が結合したもの)が出てくることもあります。

<滲出性中耳炎>

発症から3カ月は鼻治療や粘膜溶解薬の投与などで様子をみます。それ以上長引く場合は、その原因を診断します。

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎を合併している場合は、その治療を行います。

貯留液の状態や症状によっては、鼓膜に小さな孔を開けてチューブを留置する鼓膜チューブ留置や、アデノイド切除のような手術を行うこともあります。

<好酸球性中耳炎>

基本的な治療はステロイド薬の鼓室への投与です。急激に聴力や鼓室粘膜の状態が悪くなった場合は全身にステロイド薬を投与します。抗菌薬を用いることもあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • かぜをひかないようにしましょう。
  • 禁煙しましょう。
  • 肥満の人はやせるようにしましょう。
  • 鼻はやさしくきちんとかみましょう。