鼓膜の奥にある洞窟のような部分が中耳で、ここに音を内耳に伝えるためのツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨という3つの耳小骨があります。先天性耳小骨奇形は、この耳小骨に生まれつき奇形がある病気です。

耳小骨の異常のために音が伝わりにくく、難聴が起こります。

検査は、CTによる画像診断を行いますが、アブミ骨の固着が原因の場合は画像診断で確定するのは難しく、手術によって診断がつくことが少なくありません。

治療は基本的に手術を行います。手術により、高率に聴力の改善ができます。

複合奇形があると、治療が難しくなり、その後、まれに、皮膚表面の組織が増殖して硬いかたまりになって耳の周りの組織を破壊する真珠腫や顔面神経麻痺の程度が重い顔面神経走行異常などを合併するようなことも出てきます。