突発性難聴は突然に生じる難聴です。大きな音を聞いた後や薬剤により生じる急性難聴とは異なります。

低音障害型感音難聴は、低音域を聞き取れない難聴です。耳閉塞感、耳鳴り、自分の声が響く自声強調などの症状があります。ストレスが発症の原因とされ、20~40代の若い女性に多く見られます。一般に予後は良好ですが、症状を反復しやすく、反復例では時にメニエール病に移行しますので注意が必要です。

突発性難聴の原因は不明ですが、ストレスや過労などによる内耳循環障害やおたふくかぜの感染によるウイルス性内耳炎が大きな病因として考えられています。

外リンパ瘻は中耳と内耳の間にある前庭窓や蝸牛窓(かぎゅうそう)に穴があき、内耳外リンパが流出して難聴になる病気です。潜水や飛行、重い物の運搬、排便時の息みなど日の動作が原因になり、長期にわたって寛解と増悪を繰り返すことがあります。

突発性難聴の治療は、発症後2週間を過ぎると完治率は低下し、2カ月を過ぎると回復の見込みが減るので早期治療が重要です。治療は症状に合わせて薬剤を選択します。急性期に大切なのは安静です。入院が必要になることもあります。

低音障害型感音難聴の治療は、内リンパ水腫を考えに入れ、浸透圧利尿薬を投与します。難聴が高度の場合や心身のストレスが引き金になっているときは、安静や心理療法が必要になります。予後は良好ですが、メニエール病に移行することがあるので、ストレス解消による予防が大事です。

外リンパ瘻の治療は入院の上、突発性難聴に準じた薬物治療を行います。症状の改善が見られない場合は試験的鼓室開放術を行います。治療後は排便時や鼻かみ時の日常行動に注意し、再発を予防しましょう。