鼻の中心にある空気の通り道を鼻腔といい、この鼻腔とつながっている空洞が副鼻腔です。副鼻腔のう胞は、鼻腔から副鼻腔に通じる部分が狭くなり、液が充満して、いわば交通が遮断された状態です。

原因ははっきりしていません。

症状としては、のう胞の内容液に感染が起きると、腫れや痛みが生じます。のう胞ができる部位によっては、目が腫れたり、目の動きが悪くなったり、物が二重に見えたりします。頬が腫れることもあります。

のう胞の有無を調べるためには、CT検査が必要です。のう胞が多数あると思われる場合には、MRIによる画像診断を行います。

痛みがあるときは、抗生薬と消炎鎮痛薬で症状は改善できます。内服だけで十分でないときは、注射器でのう胞内の内容液を吸引することがあります。

根治するなら手術が必要です。特に、視力障害、視野障害、眼球運動障害があるときは早めに手術を行います。

手術の方法は、2つあります。1つはのう胞を全摘する方法です。もう1つはのう胞に穴をあけ、鼻腔との交通路を設ける方法です。後者のほうが手術による負担が軽いです。また、のう胞が頭や目に近いところにある場合は、手術器具を目的部位に正しく導くナビゲーションシステムを用いた手術を行います。

交通路を設けた場合は、手術後、定期的に通院し、鼻内の清掃をします。約3カ月間交通路が保たれていれば、その後、交通路がふさがることはありませんが、1年間は時々受診し、交通路のチェックをしたほうがよいでしょう。

のう胞が同じ場所に再発することがあります。腫れや痛みがあるときは、早めに受診しましょう。