急性扁桃炎は主に口蓋扁桃の急性の炎症をいいます。細菌感染によるもの、A群β溶血性連鎖球菌やアデノイドウイルスなどのウイルスによるものがあります。症状はのどの痛み、発熱、嚥下痛(えんげつう)などですが、子どもの場合、痛みで呑み込みができず、脱水症状を起こすことがあるので注意しましょう。
慢性扁桃炎は3カ月以上、軽度の扁桃炎が持続する場合をいいます。軽度の咽頭痛や口臭、咽頭異物感などがみられます。
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍は、急性扁桃炎に続発し、口蓋扁桃の周囲に炎症や膿のかたまりが生じたものです。発熱とともに強い喉の痛みや嚥下痛があります。
症状とのどの状態を診察し、重症度を評価します。原因菌を検査するために細菌培養検査を行います。症状が強いときは血液検査で白血球の増加や炎症の程度を調べます。
治療は、原因に応じて適切な抗菌薬を使用します。発熱や痛みに対しては解熱鎮痛薬を処方します。
重症で食事ができない場合には脱水を予防し、点滴治療を行います。
扁桃周囲脳症の場合には局部麻酔で膿(うみ)のたまっている部分を切開し、排膿することがあります。
口蓋扁桃摘出術により免疫機能が低下する可能性は極めて少ないです。
呼吸困難や発熱などが生じたときは、すぐに受診しましょう。
自己判断で薬を中断・減量しないようにしましょう。薬が合わないときは医師に相談しましょう。