声帯ポリープは、声帯の片側にできる腫瘤です。声の乱用により声帯の粘膜が血液循環障害を起こして出血し、それがポリープになったものです。カラオケやスポーツの応援など大声での急激な発声が原因になります。

ポリープ様声帯は、声帯の全般にむくみが生じる病気です。喫煙が原因とされ、かすれ声や声の低音化、発声のしにくさ、のどの違和感などがあり、重症化すると呼吸困難を生じます。

声帯結節は、声帯の両側に生じることが多い小隆起です。教師や歌手などに多く見られ、声の濫用が声帯粘膜を刺激して起こります。息が抜けるような声になることがあります。

喉頭肉芽腫は、のどにできる良性の炎症性腫瘤です。気管挿入による挿管性肉芽腫、声の酷使による接触性肉芽腫、胃酸の逆流による肉芽腫などがあります。

声帯ポリープは、薬物療法で改善する場合もありますが、なかなか改善しないときは手術になります。ポリープが小さいときは外来切除、大きな場合は入院し、全身麻酔下で手術します。あわせて声の衛生指導を行います。

ポリープ様声帯は、禁煙を中心にした保存的治療が主で、病変が高度の場合は手術になります。治療後も禁煙が大事です。

声帯結節は、声の使い方の指導を中心に保存的治療を行い、改善しない場合は入院して結節切除の手術を行います。

喉頭肉芽腫は、がんの有無をチェックする病理検査を行い、声の酷使が原因の場合は声の衛生指導を、胃食道酸逆流症の場合は食事のとり方の指導を含め、保存的治療を行います。