喉頭にできる腫瘍には、代表的なものに声帯白斑症、喉頭乳頭腫、喉頭がんがあります。

声帯白斑症は、声帯に白いできものができます。炎症、前がん病変、がんなどが原因として考えられますが、見た目には区別できません。病変の一部を採取して顕微鏡で調べる生検により診断します。

喉頭がんは、声帯に発生する声門がんが65~70%、声帯の上に発生する声門上がんが30~35%を占めます。男性に多く、喫煙が原因とされます。

喉頭乳頭腫は、ヒトパピローマウイルスが原因の良性の腫瘍ですが、まれにがん化することがあります。多発し、再発を繰り返し、呼吸困難が生じることもあります。若年型の場合、母親に、同じウイルスが原因の尖圭コンジローマの既往症が見られることがあり、出産時の産道における母子感染と考えられます。

喉頭白斑症による炎症の場合は、定期的に内視鏡検査を行います。がんの可能性があればがん治療を行います。

喉頭乳頭腫の場合、確立した治療法はなく、レーザー治療、インタフェロン局所注入治療などが行われます。小児の場合は、思春期以降に自然消退するという報告もあります。成人の場合は、がんを警戒し、切除手術することもあります。

声帯白斑症の前がん症状やがん、喉頭がんの場合は、初期の場合は放射線治療や喉頭機能温存手術を行い、発声機能を残します。進行がんの場合は、かつて喉頭全摘出術が多かったのですが、現在では抗がん剤同時併用の放射線治療や喉頭機能温存手術を行い、喉頭機能を残す努力がされています。