甲状腺腫瘍は良性のものと悪性のものがあります。
良性の場合は女性の数%にみられる、比較的、頻度の高い腫瘍です。
悪性の場合は、一部には予後不良のものもありますが、90%以上が乳頭がんと呼ばれる進行の遅いがんです。適切な治療をすれば、10年20年と健康に過ごすことも可能です。
検査には、血液検査と超音波検査があります。これらは甲状腺ホルモンの増加・減少や、甲状腺の機能を調べる検査です。その他、症状により、腫瘍を針でつついて細胞を吸引して悪性度や組織を調べる穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)を行います。
治療は診断に応じて、経過観察、アルコール注射により腫瘍を壊死させるPEIT、手術、放射線内照射治療があります。
甲状腺ホルモン(チラーヂン)や血中カルシウムをコントロールする薬(ビタミンD製剤)を使用する場合は、毎日服用しましょう。身体で産生するホルモンの代用です。
薬は服用量が適切なら副作用の心配はありません。量を守らないとホルモンの過剰や不足により重篤な合併症を起こすことがあります。
治療後は、症状に応じて定期的に受診し、血液検査、超音波検査、CT検査などを受けましょう。