耳介血腫(じかいけっしゅ)は、繰り返し耳介に刺激が加わり、血腫ができる病気です。

耳介血腫を放っておくと、耳介が変形することがあります。また、傷ができて血腫になった患部に感染が生じると、耳介軟骨膜炎などの難治性の疾患を引き起こすことがあります。

よく見られる原因として、相撲や柔道、レスリングといったスポーツがあります。

病歴と視診で診断がつきます。

治療の第1は、ギプスや包帯で耳介を圧迫し自然に吸収されることを促します。第2は、約2週間の安静のみで経過観察する保存療法です。第3は、注射針を刺して血腫を吸引したり、耳介の一部を切開して血腫を取り除く方法です。

再発予防のために、耳介を圧迫したり、ドレーンと呼ばれる管を血腫があった空間に留置したり、血腫があった空間に炎症を起こす薬を注入して癒着させたりするなどの処置が行われることがあります。

耳介血腫は、いったん治療しても、耳介に刺激が加われば再発することが少なくありません。普段の生活では、耳介に力が加わらないように注意しましょう。

穿刺や切開の治療を受けた場合は、感染に注意してください。

治療後も、耳介に熱感や痛みを感じるときは、早めに受診しましょう。症状が落ち着いているときは1~2週間後に再診になります。