前頭蓋底骨折は、頭蓋底といって眉のあたりの骨折です。この骨折は視神経(物を見るための神経)管骨折を伴います。

視神経骨折は、視神経を囲む骨が折れた状態です。視力障害や視野障害が生じることがあります。さらに、神経の周囲が腫れ、神経に栄養を運ぶ血管を傷つけたり、神経障害を起こしたりすることがあります。

緊急手術が可能な病院に入院し、まずは神経および神経周囲の腫れを落ち着かせるための点滴治療を行います。

視力が急激に低下した場合、視力が0.1以上残存している場合はステロイドによる薬物療法を行います。中等量のプレドニゾロンまたはメチルプレドニゾロンを1日4回の分割投与で1~2日間のみ使用する方法です。

視力が0.1未満の場合は、さらに骨折による視神経の圧迫など悪い影響をもたらす可能性があり、視力の予後が悪いようなら手術を行います。

手術は、鼻内から視神経管を開放できるなら内視鏡下視神経管開放術を行います。鼻内から開放できない場合は外科手術をします。

治療後も定期的な外来受診し、視力や視野の状態をチェックしましょう。