鼻出血は、少々不快に感じる出血から、驚くほどの大出血まであり、時に命を脅かすこともあります。
鼻出血の多くは、明らかな原因がないか、あるいは鼻ほじりによるものですが、ほかに、アスピリンなどの薬剤、肝・腎機能障害、血液疾患、鼻副鼻腔腫瘍などが原因になることがあります。
診察では、前鼻鏡検査、内視鏡検査のほか、必要に応じてCT検査、MRI検査などを行い、出血部位を確認します。
鼻血の出血部位は、鼻腔(鼻の中央にある空気の通り道)に出てくる前方型鼻出血と眼窩(がんか=眼球が骨に取り囲まれたスペース)に入り込む後方型鼻出血とに分けられ、出血部位によって止血方法は異なります。一般に後方型のほうが、前方型より止血は難しくなります。
止血には、出血部位を圧迫したりレーザーなどで焼灼処理する方法があります。これでも止血が難しい場合は動脈を縛ったり閉じたりする手術を行います。
鼻血の原因となる基礎疾患があるときは、基礎疾患の治療も併せて行います。
入院加療は次のような場合に行われます。鼻出血により全身状態が悪化している場合、再出血の恐れがある場合、鼻腔パッキングによって心拍・呼吸の監視が必要な場合、原因となる基礎疾患の精査と治療が必要な場合です。