いびきは、気道の上部が何らかの原因で狭まることによって起こります。

いびきには、治療の必要がない単純性のいびき症や、治療が必要な閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびきがあります。

単純性いびき症の原因は、上気道の形態にあります。軟口蓋や舌根が上気道を塞いで、上気道が狭くなるために出入りする空気が振動していびきになります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、いびきは呼吸のリズムと同時に起きるので、いびきが途切れることから発見されます。ただし、この場合も、単純性いびき症と同じように、いびきの原因は上気道の閉塞によるもので、呼吸運動はしています。肥満者に多くみられます。睡眠が浅くなり、日中の活動に支障を来します。

診察は、上気道を観察し、ついで閉塞性睡眠時無呼吸症候群を調べるために、パルスオキシメータ―による夜間モニタリング検査、簡易睡眠検査、終夜睡眠ポリグラフ検査などを行います。

単純性いびき症は、治療の必要はありませんが、減量、横向きや首を伸ばして姿勢での就寝、マウスピースの装着などで改善されることがあります。また、咽頭を広げる手術や鼻腔通気度の改善手術などを行うこともあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合は、圧力を加えた空気を鼻から送り込む経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)、マウスピースなどを用いた口腔内装置療法、咽頭拡大術を行い、これに減量、鼻腔通気度の改善、就寝時体位の工夫などを組み合わせます。