唾液腺腫脹とは唾液腺が腫れる病気をいいます。代表的な病気に、耳下腺炎・顎下腺炎、反復性耳下腺炎、唾石症、ミクリッツ病(IgG4関連疾患)があります。

耳下腺炎・顎下腺炎は、ウイルスの感染によって起こります。いわゆるおたふくかぜです。腫れが引くまで登園・登校や出勤は控えます。

反復性耳下腺炎は子どもに多い病気です。原因ははっきりしていません。片方または両方の耳下腺が痛みを伴ってと繰り返し腫れます。しかし、思春期になると自然に治ります。

唾石症は顎下腺にできやすい結石の一種で、唾液が詰まります。自然に排石されるのを待つか、摘出するかを選択します。

ミクリッツ病は原因がよくわかっていません。唾液以外に膵臓や腎臓、肺など全身の臓器が侵される病気で、詳しい検査と治療が必要です。

腫れが炎症によるものか腫瘍によるものかを血液検査や画像検査で調べます。

細菌感染による場合は、抗生剤を使います。ウイルス感染の場合は、その時々の痛みを抑えるなどの対症療法になります。

ミクリッツ病が疑われるときは、組織の一部を採取して診断を下し、副腎皮質ステロイド薬による薬物療法を行います。

流行性耳下腺炎の場合は、医師の許可が出るまで外出を控えます。口の中を清潔にしましょう。まれに髄膜炎や脳炎、睾丸炎、膵炎、難聴などの合併症があるので、その場合は入院が必要です。

反復性耳下腺炎の場合は、虫歯を治療し、歯磨きやうがいを励行し、口の中を清潔に保つようにしましょう。食事はよくかんで、顎を動かすようにしましょう。

唾液症は、自然の排石を促すために酸味に強いものを多めに摂取し、唾液腺をマッサージしましょう。