顎顔面補綴とは、先天的奇形や腫瘍、外傷、炎症などで顎顔面領域の骨とその周辺の軟部組織が欠損した状態を、手術や人工物を使って修復することです。これにより、食べ物を噛んだり、飲み込んだり、発語がスムーズになったりします。

顎顔面補綴の適応は次の4つです。

  • 原因の病気に対して、長期的な観察が必要になる場合。
  • 局所または全身状態が再手術に適さない場合。
  • 外科的な再建が不可能な場合。
  • 補綴的な手段のほうが機能や審美性の回復が期待できる場合。

顎骨を含めた欠損に対して使用する義歯を顎義歯といいます。

現在は、顎義歯にもインプラントを使用することができます。維持力、安定性、定位置への容易な装着などにメリットがあります。厚生労働省が定める要件を満たせば、インプラントを用いた顎義歯治療を保険で行うことができます。

顔面の皮膚や眼球の欠損を修復するために外面にとりつける医療用人工物をエピテーゼといいます。精巧なものができており、これを用いて治療を行うこともあります。