リンは骨の主な成分ですが、一方で細胞内や血液中にも存在し、筋肉の収縮などに重要な働きをしています。

低りん血症は、血液中のリン濃度が低下する病気です。血中のリンの濃度は、副甲状腺ホルモンやビタミンDなどによって制御されていますが、その制御機構に異変が生じて起こります。

軽度から中等度であれば無症状であることが多いのですが、重度になると意識障害、心収縮力低下、筋力低下、呼吸不全など多臓器症状が現れます。

原因としては、薬剤、低栄養状態に起因することが多くみられます。

検査は、血液検査や画像診断を行います。

軽度で無症状の場合は数週間ごとに受診して精密検査を行います。

重度の場合は、意識障害など重篤な病態につながることがあるので、入院して精密検査を行い、治療します。

治療方法としては、低りん血症の原因を考え、それに見合った治療を行います。

治療の基本は食事によるリンの摂取量の増加です。ついでリン製剤を経口投与します。注射で投与することもあります。ただし、どの程度投与すればよいかの予測は難しく、血清リンをチェックしながら投与していきます。