石灰沈着性肩峰下滑液包炎は、腱板に沈着した石灰が腱板の上にある肩峰下滑液包の壁を刺激して起こる炎症です。
原因は不明です。
特に中年の女性に多くみられる病気です。
急性の場合は、突然起きる肩の痛みと、それに伴う肩関節の可動制限が症状の特徴です。
慢性の場合は、腱板にたまった石灰のために腕を上げると痛みが生じたり、腕が動かなくなったりします。
診断は、急性で肩に熱感をもつ感染症が原因の化膿性滑液包炎との区別をするため、感染をチェックするCRPや末梢血液検査を行います。
治療には保存療法と手術療法があります。
慢性の場合は保存療法を行います。保険適応外ですが、シメチジンの服用は石灰を吸収するという報告があります。
保存療法では定期的に通院し、ときに石灰の吸収をみるために単純X線検査を行うことがあります。
保存療法で改善しない場合は、保険適用外ですが、体外から超音波で衝撃波を送り石灰を砕く体外衝撃波療法や手術を行います。