胸の上にある、棒のような形の骨が鎖骨です。鎖骨を骨折した場合、骨折の状態、骨がずれたり曲がったりする転位の状態によって治療法は異なります。骨折には3タイプがあります。

鎖骨中3分の1の骨折・転位が小さいものは、骨が折れていますが、手術しなくても骨がつく見込みが高いです。

鎖骨中3分の1の骨折・転位が大きなものは、骨が折れてずれているので、骨がつかない危険性が高くなります。

鎖骨遠位端骨折は、骨が折れてずれており、手術をしないと骨がつかない可能性が高い骨折です。

鎖骨中3分の1の骨折・転位が小さいものは、三角巾で固定します。痛みに耐えられるなら外して入浴してもかまいません。2週間ほど固定し、3週間くらいで手が上がるようになります。骨がつかなくても困りませんが、不便なときは手術をします。

鎖骨中3分の1の骨折・転位が大きなものは、鎖骨は骨がつかなくても困りませんが、手術をすれば骨がつく可能性が高く痛みも早くとれます。

鎖骨遠位端骨折は、骨がつかなくても肩の機能は保たれますが、手術をしないと変形が残るので若い人は一般に手術をします。高齢者は、変形が残っても構わない場合は手術をしません。

手術をする場合、手術の前日に入院し、麻酔科の術前診断があります。術後は数日痛みますが、痛み止めの薬でコントロールできます。早くて翌日には退院できるでしょう。術後は数日ごとに外来を受診します。

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