肘頭滑液包炎とは、肘の後ろの突起部分の肘頭にある滑液(皮膚と上腕三頭筋を円滑に動かすための滑液)で満たされた袋状の滑液包の炎症です。

原因は、肘頭部の打撲を繰り返し、その刺激によって発症することが多く見られます。しかし、これといった誘因もなく発症することもあります。

肘頭部に水がたまって脹れますが、多くの場合は痛みがありません。ただし、細菌感染が加わると、疼痛が生じ、難治性になります。

肘頭部を穿刺(針を刺して水を抜く)して排液を調べることによって診断をつけます。

非感染性の滑液包炎の場合は定期的に水を抜き、腫脹部が再発するようなら、弾性包帯固定をします。それでも再発するときは手術をすることもあります。

感染性滑液包炎が疑われる場合は、抗菌薬を内服し、穿刺・排液を行います。腫れや炎症が高度な場合は、肘関節障害を残さないように早期の手術を行います。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 日常生活で、肘頭に機械的な圧迫や殴打など負荷が加わらないように注意しましょう。