変形性肘関節症とは、関節を覆っている骨の先端の関節軟骨部分がすり減って、肘に痛みや変形が生じる病気です。

肘関節の内側にある尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって生じる神経の障害を肘部管症候群といいます。変形性肘関節症では、肘部管症候群を合併することがあります。この場合は、小指や薬指のしびれ、手内在筋の萎縮、手指の巧緻性の障害が生じます。

肘をよく使用する鉱業、農業、漁業に従事している男性に多く見られます。また、肘関節の外傷、野球などスポーツによる2次的な原因もあげられます。

主症状としては、ひじ関節の軟骨の変形や軟骨の下に突起が出る骨棘(こっきょく)、でっぱりが生じる骨堤(こつてい)、関節に骨や軟骨片が見られる関節遊離体形成による痛み、腕があまり動かない(可動域制限)などがあります。

X線検査でリウマチと鑑別し、重症度を判定して、鎮痛薬の内服と安静固定を行う保存治療か手術治療かを選択します。保存治療の場合、症状が改善しても再発することがあります。

痛みが強い場合、また、可動域が制限され日常動作に支障がある場合や肘部管症候群を合併している場合は、手術の可能性が高くなります。

手術は、関節の動きを改善する為に肘関節内遊離体摘出、骨棘、骨堤の除去を行います。

術後は翌日から関節可動域訓練を行います。痛みがあるので消炎鎮痛薬を内服しながら約3週間のリハビリテーションを行います。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 肘の使用頻度を減らし安静にすると症状が軽快する場合があります。