上腕骨顆上骨折とは、小児に多い、肘のすぐ上の骨折です。

神経が圧迫されたり、循環障害が起きたりすると、重篤な機能障害(麻痺)が生じることがあります。手指の動きやしびれに注意しましょう。

腫れがひどい受傷時から数日間は、麻痺の症状に注意しましょう。疑わしい症状が見られたら夜間でも受診しましょう。

正しく整復されないと、後で内反肘といって肘が内側に反る変形が生じます。

視診や触診で症状をチェックし、骨の状態を調べるためにX線検査を行います。

手指を動かして強い痛みが生じるなら、腫れによる循環障害の可能性があります。この場合、手に著しい障害を残すことがあるので、緊急手術をします。

その他の場合の治療法は、X線検査により骨の位置(転位)の状態を調べ、保存療法か手術療法かを選択します。

転位がそれほどでもない場合はギプスシーネという道具を用いて固定を行い、腫れが引くのを待ってギプス固定に切り替えます。転位があっても手で骨折部分を元の状態に整えたり、まっすぐに吊り上げたりして整復できるなら、ギプス固定をします。

将来、肘の変形や機能障害が予想され、保存療法ができない場合は、切開せずに骨折部にピンを入れて固定する経皮的ピンニングを行います。これでも修復できないときは切開して骨折部を展開して整復固定する方法に変更します。