肘を曲げときに出っ張る部分を肘頭(ちゅうとう)といいます。肘を直接どこかにぶつけたり、肘頭についている上腕三頭筋腱に引っ張られて肘頭が折れることがあります。これが肘頭骨折です。

肘関節周辺の骨折の中で比較的よく起こる骨折です。

上腕三頭筋腱により骨折部を離したり、ずれようとする力がかかるため、多くは不安定な骨折となります。

痛みや腫れなどが生じ、腕を曲げられなかったり、変に曲がったりします。

X線撮影やCT検査などで骨折が認められます。

多くの場合、手術で治療します。

手術療法にはさまざまな方法があり、重症度に応じて、適した方法が選ばれます。原則として、肘関節の形をできる限り正常な状態に戻し、肘の安定性を得て、金属で固定し、早期リハビリテーションを行う方針がとられます。

軽度の場合は、手術ではなく、ギプスなどで固定する保存療法となることもあります。

治療後も、医師の指示に従い通院しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 骨折の急性期は、骨折したところが動かないようにするために、ギプスシーネを当て包帯を巻いて固定します。局所をよく冷やし、三角吊で骨折した腕をつるすか、心臓より高い位置に挙げ、手指の運動を十分に行うと、腕のむくみを予防できます。
  • 肘周辺の関節の動きが悪くならないように、手指・肩関節の運動をしましょう。