前腕には2本の骨があり、そのうち親指側の骨を橈骨(とうこつ)といいます。肘関節の外側で上腕骨と関節をつくっています。その肘関節部分の橈骨は丸いネジのような形をしており、上腕骨と接している部分での骨折を橈骨頭骨折といい、首の部分での骨折を橈骨頚部骨折と呼びます。大人では橈骨頭骨折が、子どもでは橈骨頚部骨折が多くみられます。
橈骨頭骨折・橈骨頚部骨折は、肘を伸ばして手をついたときに起こりやすく、肘関節が腫れて痛みます。
他の肘関節周辺の骨折や肘関節脱臼、靭帯損傷を合併し、関節が不安定になりやすいという特徴があります。
肘関節のX線検査を行います。必要に応じて、CT検査やケガをしていないほうの肘関節のX線検査を行います。
骨折部のずれが軽度の場合は、ギプスで固定します。
ずれが大きい場合は、痛みが残り、運動制限が生じやすいので、入院して手術で肘の外側を開けてずれた骨を元に戻す整復を行い、鋼線やプレート、スクリューなどでしっかり固定します。
手術中に骨折部分を金属で固定したあとも肘関節が不安定な場合は、肘関節の靭帯損傷を合併していることが多いため、肘の内側を開けて靭帯損傷をチェックして縫合します。
骨折部固定後は、肘関節の運動制限を予防するために、できるだけ早く肘関節のリハビリテーションを始めます。
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