モンテジア脱臼骨折は、尺骨(前腕の小指側にある長い骨)が骨折して、肘で橈骨頭が脱臼する外傷です。

外力が強く、尺骨が折れたうえに、普通はずれない肘関節がずれ、橈骨頭の脱臼が生じたと考えられます。

橈骨とは、前腕の母指側にある、尺骨と平行している長い骨です。

橈骨頭脱臼と尺骨骨折の両方を治療する必要があります。

子どもの場合は橈骨頭脱臼と尺骨骨折を手で整復します。その上で尺骨が癒合するまでギブス固定をします。橈骨頭脱臼を手で整復できない場合は、橈骨頭を整復する手術をします。また、尺骨の骨折が不安定で橈骨頭を保持できない場合は尺骨を内固定(体内から固定具で固定する)する手術をします。

成人の場合は、多くの場合、尺骨を整復すると橈骨頭は整復されます。そこで、手術により、尺骨がずれないように金属のプレートを入れて固定をします。橈骨頭が改善されない場合は整復の障害になる間に挟まったものを除き、尺骨をプレート固定します。

手術をしたら翌日から手指の屈伸運動と肩の拳上運動を始めます。術後3週目頃から自分で腕や肘を動かす自動運動を開始します。