手根管症候群とは、手関節部にある神経が圧迫されて起きる絞扼性(こうやくせい:締め付けられて起きる)神経障害です。

原因ははっきりしていませんが、妊娠出産前後や更年期の女性に多くみられます。また手の使用頻度の高い人にも起こります。

症状としては、小指以外の手指のしびれ、夜間や早朝の手指の痛みやこわばり、母指球筋(親指の付け根の筋肉)の萎縮が特徴的です。

治療には保存療法と手術療法があります。診察や検査結果により重症度を判定し、重症度によって治療法を選択します。

保存療法では鎮痛消炎剤、ビタミン剤などを処方し、手関節固定装具などで神経を圧迫しないように手指を固定します。保存療法で一時的によくなっても再発することがあります。

手術が行われるのは、保存療法の効果がみられない場合、麻痺が進行している場合、病気にかかった期間が長い場合、人工透析により生じた場合などです。術後は、感染予防と適切なリハビリテーションが必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 手の使用頻度を減らし手指の安静を心がけましょう。
  • 症状がいったん改善しても、あとで再発する場合があります。医師の指示に従って通院しましょう。