尺骨神経管(ギオン管)とは、手のひらの小指側にある肉の盛り上がりにある尺骨神経の通り道です。尺骨神経管(ギオン管)症候群とは、この部分の尺骨神経が締め付けられて生じる絞扼性(圧迫性)神経障害です。

原因は、慢性的なストレスや繰り返す外傷、ガングリオン(手首などにできる腫瘤)などの腫瘍性病変によって発症します。

主な症状は、薬指と小指の手のひら側のしびれ、知覚障害、痛み、手内在筋の萎縮と筋力低下です。

検査では、X線検査、CT/MRI検査により骨折や腫瘍性病変の確認をします。手関節部での尺骨神経伝導障害を確認して診断します。

治療には保存療法と手術療法があります。重症度によってどちらかを選択します。

知覚障害のみの軽症なら、局所への刺激を避けると同時に、薬の内服による保存療法を行います。

保存療法では症状が軽快しても、再発することがあります。日常の手指の扱いに注意しましょう。

保存療法が無効な場合や手内在筋萎縮を伴うような重症の場合、腫瘍性病変で骨の病変が明らかな場合には、手術をします。手術後は感染予防と術後のケアが大事です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 日常生活で、手をあまり動かさないようにして安静を心がけると、症状が軽減することがあります。